あの夏の光の中で、君と出会えたから。【旧・あの花続編】
 二人の話を総合すると、つまり、


加納さんは、もともとはすごく反抗的なヤンキーだったけど、

最近は大人しくなった、


………ってこと?



 俺はまた、ちらりと加納さんのほうに目を向けた。


 物静かで控えめな雰囲気からは、やみくもに先生に反抗するような荒々しさは全く感じられなかった。



 加納さんに、何があったんだろう?


 どうして、変わったんだろう?



 加納さんは、いったい、どんな子なんだろう?


 どんなことを考えているんだろう?



 佑輔と聡太の話を聞いて、俺はそれまでよりもさらに、加納さんのことが気になって仕方がなくなってしまった。


 でも、とにかく加納さんは、『孤高』という言葉の似合いすぎる空気をまとっていて、俺は結局、一週間経っても話しかけられずじまいだった。



 ………それにしても。


ときどき加納さんが俺のほうをじっと見ているような気がするのは、やっぱり俺の気のせいだろうか?




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