あの夏の光の中で、君と出会えたから。【旧・あの花続編】







二人で図書館に行った、あの日。


俺たちはラインのアドレスを交換した。


これは本当に嬉しかった。


でも、なんて送ればいいか分からなくて。

その晩、俺はスマホの画面とにらめっこをしながら、うーんと思い悩んでいた。



すると、11時くらいになって、なんと百合のほうからラインにメッセージを送ってくれたのだ。



『今日はお疲れ様。楽しかった』



思わず、よっしゃ、と小さく叫んでしまった。


ガッツポーズはなんとか我慢したけど。



だって、百合は、まっすぐで嘘をつかない子だ。


きっと、本当に「楽しかった」って思ってくれたんだ。



『俺もめっちゃ楽しかった。ありがとう』



今にも震えそうな指で、俺はそう返した。




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