不順な恋の始め方
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数カ月後
「おめでとう。柚希」
「ありがとう、涼ちゃん」
安定期へと入った私は、譲との結婚式を挙げた。
仕事は事情を話した上で先月に退職し、譲の子だということも伝えてある。
「おめでとう。森下」
「森下先輩…!おめでとうございます!」
「ありがとう、大橋。菅ちゃん」
会社の人達も沢山参加してくださって、私も譲も本当に良かったと思う。
大橋にも、菅ちゃんにも、ちゃんと早くに事情を話すことが出来て良かった。
なにより、こうして問題もなく結婚式を挙げられて良かった
と、言いたいところだけれど─────
「仁菜ちゃん」
「……私はまだ認めてへんもんっ!」
仁菜ちゃんとは、やはり相変わらずだ。
でも、これでも前よりは全然仲良くなれた方で。
「柚希は前の彼女よりマシやからちょっとだけなら許したるけど、まだひゃくぱーせんとちゃうもん!」
「あ、あはは……そっかあ」
最初は〝この人〟と、名前すら呼ばれていなかった私も、呼び捨てだけれど名前で呼んでもらえるようになったのだ。