不順な恋の始め方
◇ ◇ ◇
────ガラガラッ
「お疲れさーん」
「それじゃあまた明日」
「俺、2次会行くわー」
時は、遡ること約1ヶ月半。
私は勤めている小さな会社の同僚、そして先輩方と居酒屋にて飲み会…いわゆる〝親睦会〟とやらをしていた。
「ふふ、へへへ」
その時の私は、弱いくせに調子に乗って何杯ものお酒を飲んでしまったせいで酷く酔っていた。1人で歩くのもやっとで、それはもう惨めな状態だった。
そんな私だけれど、残念ながら車に乗せてくれるようなボーイフレンドも居らず、ヨロヨロとよろめきながらも駅へと向かっていたのだが
駅へと向かっている途中、ついにバランスを崩し地面へと倒れ込んでしまったのだ。
「い、たーい…」
入社して3年と少しが経つけれど、未だ慣れない苦手なヒールに加え、倒れた時に少し捻ってしまった足首
頑張れば立てないことはないのだろうが、私はしばらくその場に座り込んだままでぼうっとしていた。