不順な恋の始め方
へぇ〜……坂口先輩は、共働きよりも専業主婦派なのか。
正直、私自身も専業主婦希望で。だから坂口先輩と同じ考えで少しホッとした。
「私も専業主婦希望です。あ、でも、仕事はギリギリまで続けたいです。流石にお腹が大きくなってきたら厳しいですけど…」
それまでは、続けたい。ギリギリまで。
自分が出来ることを最後まで、少しでも多くこなしてから辞めたいのだ。
「了解。まあ、無理せん程度にな? 同じ職場とはいえいつも一緒に居れる訳やないからなあ」
「あはは、大丈夫ですよ。もうあんな事にならないようにします」
「ほんまにかあ? 気いつけてや?」
「はい! 大丈夫です、任せてください!」
私は胸にポンと拳を当てて、坂口先輩と笑い合う。
まだまだ先なんて分からないけれど、坂口先輩となら上手くいくかも? なんて私は早くも思い始めていたーー。