罪づけ

それは、色づく深夜。





私の部屋の深い茶色のソファにふたりで腰かけた。

小さなテーブルにふたり分の料理を並べる。ひとり用のそれは少し窮屈に感じながらも嫌じゃない。



「いただきまーす」



嬉しそうに手を合わせたのは、少し久しぶりに私のところに訪れた透吾。

今日は彼が来ると言っていた約束の日。



晩ご飯のメニューはもちろん透吾のリクエスト通り、ナポリタンを作った。

玉ねぎ・ピーマン・ウインナーを一緒にケチャップで炒めるだけで、それなりなものが出来上がるから楽でいいのよね。



余計なものは入れずシンプルなまま。これが透吾はお気に入りなんだけど、これが好きってことは……結構子ども味覚だということ。

辛いものも食べるけど、お子さまランチに必ずあるようなナポリタンが好きだなんて、なんだか可愛い。



あとは簡単なサラダとワイン。ワインはもちろん透吾のお土産。

お酒が好きなだけあって、いいものを選ぶの。別に、わざわざ高いものを持って来なくていいのに。



ワインに合うおつまみも少しは用意しておいた。

ナポリタンを食べ終わった頃にでも冷蔵庫から出すことにしよう。



私でも飲みやすい甘めのワイン。口の中に広がる香りに至福のため息を吐いた。

くるくるとフォークにパスタを巻きつけて、口に運ぶ。






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