さよならだね。




「女子大生だぞ女子大生!ぴっちぴちの!」


「あほか。自分の歳考えろ。」


「なんだよ〜、ほんとつれねーな愁は。まあ、お前みたいなやつは、勝手に女の方が寄ってくるんだろうよ。」



海斗は嫌味ったらしくそう言い、焼き鳥を頬張る。




海斗の言う通り、女に困ったことはなかった。


中学の頃からなんか知らねーけど、ちょいちょい女子に告られることが増えて、まあいっかって感じで付き合って、そんなことを高校まで続けた。

自分で誰かに告ったり、自分から誰かを好きになるなんて一度もなかった。

大学に入ってからは、特定の彼女とか作るのがめんどくさくて、とにかく適当に遊んでた。

本当、最低な男だったと、いまになって思う。





「でもさー、愁もそろそろ彼女の1人や2人作れば?もったいねーよ、お前モテんのに。」


「別にいらねーよ。」



いまでも言いよってくる女はいる。


会社や取引先で知り合う女から、連絡先を聞かれたり、飯に誘われたり、いきなり告られたり。


でも思うんだ。

こいつら俺の何を見てそんなこと言うんだろう?

俺の何を知ってんだよ、って。





「なあ〜ほんと頼むよ。今回だけでいいから!これっきりだからさ!」


「まだ諦めてなかったのかよ。」



昔から負けず嫌いなんだよな、こいつ。

こうと決めたら絶対曲げないタイプ。




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