さよならだね。



「ゆら、目開けて。」



愁くんの声がして、あたしはそっと目を開ける。




「えっ、、」




そこには、、


腕いっぱいの、大きなかすみ草の花束を抱えた愁くんがいた。




かすみ草の花束、、?





「あの日、事故に遭ったあの日。かすみ草の花束とプレゼントを持って、ゆらに伝えたいことがあった。」


「えっ?あの日って、、」




あの日伝えたいことがあった、って、、



待って。


だって、愁くんあの日の記憶、、



もしかして、、





「思い出したよ、全部。ゆらと俺の、大切な毎日のこと、たくさんの思い出、全部、思い出したんだ。」


「うそ、、なんで、、」


「眠ってた間、ずっと夢を見てたんだ。ゆらと出会った日から、あの事故の日までの一日一日を、ずっと夢で見てた。目が覚めたとき、全ての記憶が戻ってた。」




、、涙が、止まらない。



信じられない。



愁くんの記憶が、、全部戻った、、?



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