【完】いいかげん俺を好きになれよ
ーー帰りのHRが終わると、さっそくまたアユが私の席にやってきた。
「なぁ、俺今日タワレコ寄りたいんだけど」
鞄をドサッとあたしの机の上に置いて、偉そうに首を傾けながら見下ろして。
こうやってほぼ毎日一緒に帰るのはべつに今に始まった事じゃない。
帰宅部のアユと、手芸部幽霊部員のあたしは放課後特に学校に残る理由もなくて、
政輝達の部活がない時以外はたいてい二人で帰ってる(ちなみに絵里は美術部)。
最初の頃はみんなによく問い詰められたっけ。
『歩斗くんと付き合ってるの!?』…とか。
だけど別にまったくそういう関係じゃないし、普通に友達だよってことは
説明してもあんまり理解してもらえてないようだった。
ほかの女子のみんなからしたら、アユみたいなイケメンと普通に友達でいられる神経がわからないんだって。
意識しちゃわない?とか言われるけど、しないから友達なんじゃんね(笑)
それにアユにはちゃんと他に好きな子がいるわけだし…。