王様とうさぎさん
「別に今更怒りませんよ。

 忍さんがずっと王様王様言ってるから、もう慣れちゃったし」

「忍はまだ、お前を王様と呼び続けてるのか」
と言う允は機嫌が悪かった。

「どうかしましたか?」

「お前は俺を朴念仁のように言うが、俺は勘がいいんだ」

 そう不機嫌なまま言う。

「そうですかねー?」

「莉王」
と允は改めて呼びかけてきた。

「式は月曜じゃなくていい。
 お前の好きにしていい。

 だから——

 俺と結婚してくれ」

 なんか出逢ったときにも言われた気がするんだけど。

 今日聞くのとは全然違うな、と思いながら、莉王は月光と街の灯りに照らされた允の顔を眺めていた。

「……月曜でいいです」

「え」
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