王様とうさぎさん
「どうも、お前が此処に居ることが伝わったらしくて」

 どんなルートで!?
と思っていると、騒がしい声が聞こえてきた。

「いやー、王様、ヒロちゃんとこの娘だったんだねえ」
という声が、外から聞こえてきた。

 爺さんズの一人だ。

 つていうか、今、何時だ。

 田舎の朝は早い。

 そして、寺関係の人間関係は狭い。

「ああいうルートですね……」

「それで、お前の家から朝、電話がかかってきた」

 早朝かけてくるな、うちの親、と思いながら、

「ど、どうなりました……?」
と問う。

「うちの父親とお前の父親、面識があったらしくて。

 和やかに歓談したあと、今度呑みましょうという話になっていた。

 俺が代わって丁寧に挨拶して、今日か明日にでもご挨拶に伺うつもりだったというと、機嫌が良かったぞ」

 まあ、早く嫁にいかないと、下の娘がつかえてるからな……。
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