王様とうさぎさん
 由莉子に言うと、昼間寝るからいいのよ、と言ってくれそうだが。

「でも、そうか。

 此処に居るのもあと少しですよね。

 そう考えたら、ちょっと淋しいような」
と言ってあとで、ふと、既にスーツ姿の允の膝に頭を乗せてみた。

 允が、おい、という顔をする。

「……男の人がよく膝枕して欲しがりますけど。

 逆も悪くないですね」

 また阿呆なことを言うな、と言われるかと思ったが、允は、

「そうだな」
と言う。

「ところで、さっき、お前の家から電話があったぞ」

「誰も居ないのに?」

 どんなホラーだ、と思いながら問うと、

「莫迦。
 実家からだ」
と允は言った。

 理解するまで、時間がかかる。

「実家!?」
と跳ね起きた。
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