王様とうさぎさん
 いや、あんた、私のこと好きなわけじゃないでしょうか、と思いながら聞いていた。

「なに怒ってんの?
 まだ允さんのことが引っかかってるの?」

「いいや。
 清香さんのことはよくわかったよ。

 允さんを恨む理由はなくなった。
 お前との結婚を反対する理由もなくなったんだが」

 真人は冷蔵庫の上に置いた珈琲の透明なカップを見つめて言う。

「なんでだろうな。
 やっぱり、允さんがお前と結婚するの、ずるいと思ってるし、厭なんだ」

 よくわからんが……と呟いていた。

「ああ、そうだ。
 式は、月曜だから」

「は?」

「でも、その前に日曜にも教会でやるの。

 こっちはみんなにも来て欲しいなって思ってるんだけど」

「なんだって?」

「最初は二人だけでって、允さん、言ってたんだけど。

 私はみんなにも来て欲しいかなって」

「すまんが。
 もう一度、最初から話してくれないか」

 って、どの辺からだ、と思った。
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