王様とうさぎさん




 アパートまで送ってくれた允は、そのまま上がると言い出した。

「そうですね。
 じゃあ、一緒にスイーツを。

 今日は早めに寝たいので」

 明日のコンディションのために、と言ったが、允は、もう式は今日、一回やったからいいじゃないか、という感じだった。

 本当に男はデリカシーがないな、と思っていたのだが、
「大丈夫だ。
 お前の肌が荒れていたことはない」
と言い出す。

「荒れてたことありますよ〜。
 見てないですね〜、もう」
と言ったが、今は荒れてても、そう見えないのかもな、とも思っていた。

 付き合い始めの魔法だ。

 それが解けるときが怖いな、と思う。

 アパートの階段を上がるとき、コンビニの袋がない方の手で允が手を握ってきた。

「いやあの……ちょっと、恥ずかしいんですけど」
と言ったが、

「別に。
 もういいじゃないか。

 夫婦なんだし」
と言う。
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