王様とうさぎさん
 着付けじゃなくて、ミスなんとかみたいなコンテストだったらしい。

「男ですよ!?」
と言うと、忍は、

「男性部門もあるんだよ。
 もっと恰幅がよくないと優勝できないけどね」

 顔は僕の方が勝ってたと思うけど、と言う。

 もう美容師さんにされるがままになりながら莉王は忍に訊いた。

「そういえば、あの昨日の女の人はどうなりました?」

 城ヶ崎に襲いかかった女のことだ。

 忍が携帯の番号を聞いていた。

 ああ、と言った忍は、

「タイミング見て、君の言うところのラガーマンを紹介するよ。
 なんだか似合ってる気がするから」
と言った。

 なんだか、忍の店は、流行りの街コン会場みたいだな、と思った。

 気の訊いた仕切り人の居る合コン会場。

「莉王ちゃん、動かないで」

 先生がおしろいを塗ってくれているときに、先生が言うより早く、忍が言う。

 気が利く、というように先生は笑っていた。
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