王様とうさぎさん
 話すな、と自分が言ったのに、忍は訊いてくる。

「あの〜、それって良くない霊?」

「まあ、あんまり良くはないかも。

 とか言ったら、霊に失礼なんですけど」
と言うと、忍は笑う。

「君、霊にまで気を使うの?

 霊って、こっちの話、聞いてるの?」

「聞いてるときと、聞いてないときがありますよ。

 でも、入ってすごく気持ちのいい店には、大抵、いい霊が居るか、何も居ないです」

「えーと、それって、僕の店が気持ちの悪い店って話?」

 そう訊かれ、いえいえいえ、と慌てて手を振った。

「すごくいい感じです。
 だから不思議だなあって。

 きっとあの霊は元から此処に居て、忍さんにはあまり影響を与えていないんです。

 貴方の方が強いから」

「強い?」
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