王様とうさぎさん
「なんて言うか。
 意志の力が?

 私にもよくわかりませんけど」

 ……うん、と莉王は自分の中で、わからない部分、感覚で感じ取っているだけの部分をなんとか噛み砕いて、忍にも説明しようとしていた。

「あの霊はあまり良くない霊だけど。

 それによって、忍さんやこの店が影響を受けることは、たぶんないです。

 逆に、あの霊の方が浄化されるかも。

 ずっとこの店のこの雰囲気を保っていれば、きっといい影響が出るから」

「あの、それって、もしかして、僕の方に何かあって、精神状態が不安定になったら、一気にあの霊と一緒に転げ落ちちゃったりしない?」

「そうかもしれませんが。

 うまくいけば、あの霊、上がってくれるか、この場所や貴方を守ってくれるかもしれませんよ」

 そう言うと、忍は笑い、

「僕は誰にも守ってもらわなくていいよ。

 特に女の子にはね。

 ずっと此処に居て、気持ちよくなったら、すぐに成仏してくれていいって伝えておいて。

 ……なんか変な言い方だけど」
と言う。
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