王様とうさぎさん
「よしよし。
 じゃあ、来週には式の日取りでも決めよう」

 上機嫌な及川の声がした。

「おい。
 わしのうどんー」
という言葉を残して、通話は切れた。

 允が離れる。

「……式の日取り?」

 幻聴? と允に向かい、笑いかけたあとで、思い切り足を踏んだ。

「おお。
 ドラマのように激しいね〜」

「それではさようならっ。
 コンパに行ってきますっ!」

 厭味のように言い、ドアに向かい、早足に歩いていったが、ふと気づいてまた戻る。

 允の唇を親指で拭った。

 自分の口紅の色がそこに残っていたからだ。
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