今、ここであなたに誓わせて

だけど物心ついた早い段階、小学校に上がって少し経った頃にはもう一緒に寝ないと自分から一人で寝るようになった子だったのに。それから怖い夢見ただとか、学校で怖い話を聞いたとかでたまに一緒に寝ることはあったが、思春期を迎えてからこんなことを言うのは初めてだった。

「なんだ怖い夢でも見たのか」
「……」
「お前変だぞ、本当にどうしたんだ。まさか学校でいじめられてるとか?そういうのだったら早めに言えよ」
「違う」

不機嫌そうな声で即答され、俺ももうお手上げ状態。

「りんちゃーん、またヘソ曲げちゃった?」

そう言ってりんの方を向くと、ぎゅっと小さな体で抱き着いてきた。条件反射のように自然と頭に手がいく。

「なんだ久しぶりの甘えんぼさんか」
「……お兄ちゃん、私のこと絶対一人にしないで。死ぬときは一緒だよ」
「なんだいきなり。死ぬって物騒だな」
「約束して」
「分かったよ」
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