SPの彼に守られて
 そして経理課の部屋に入ると、経理課のドアの近くに設置されている打刻機にタイムカードを差し込んで出勤手続きをして、私の隣の席に龍崎さんが座り、業務の準備を始めた。

 私が担当する業務は角井百貨店に入っている各店舗から支払われるテナント料(賃料)を管理する業務で、私と龍崎さんと男性社員2人の合計4人1組のグループで行い、龍崎さんがグループのリーダー的な立場でいる。

 テナント料の金額は店舗の規模によって差があるので、初めて経理課に配属された時は見たこともない金額の桁数に驚いたけど、今後も角井百貨店が永く営業が出来るようにテナント料はしっかりと納めてもらわなくちゃ。

 4人でそれぞれの机の上にあるPCの電源を入れて共通で閲覧が出来るテナント料のデータのファイルを表示し、データを見ながら今後のテナント料の集金について話をする。

「3月に入店した靴下を扱うテナントは、売上が2ヶ月前よりも下回ると今月のテナント料の集金が厳しいですね」
「メンズフロアも激しいね。持ちこたえてるのは"S"や"MK"くらいかな?」
「レストランフロアは今月老舗の店舗を1つ誘致したことによって、お客様がどれくらい来店するかにかかってきますね」
「レディースのシューズブランドが1つ撤退したので、そこにまた別のシューズブランドを入店するのか、また違うジャンルを入れるかは営業が話し合っているそうです」

 角井百貨店に入店するテナントは他の老舗百貨店と区別を図るためにお客様の年齢層を絞って商品を提供したり、新しい流行をいち早く届ける為にフェアを積極的に開催しているけれど、売上が悪くて閉店して撤退し、店舗が入店しないと百貨店にはテナント料が納められないので、百貨店の経営って難しいな。
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