ふりむいてよキャプテン
「え?だれだれ?
あたしの知ってるひと?」

「うん、知ってるよ。
だって同じクラスの人だから......」

「同じクラス?
それって、もしかして......」


こそこそと話していると、突然どこかからバターン!という大きな音がした。


一時中断される校長先生の話に、一気にざわめいてうるさくなる体育館。

なに?


「おい、ヒロシが倒れたらしいぞ」

「誰だよ、ヒロシって」

「ほら、あの背の高い野球部のやつ」

「ああ、新入生代表やってた加藤浩ね」


何が起きたか分からずにいると、隣のクラスの男子からそんな話が聞こえてくる。


え......。ヒロくん、倒れたの?
突然コントみたいに、バターンって?

なにそれ、面白すぎ。


笑い事じゃないというのに、どうしようもなく笑えてきて、必死で笑いをかみころす。

だって、普段あんなに上から目線なのに。
始業式の真っ最中に、みんなの前で盛大な音立てて倒れるとか。
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