ふりむいてよキャプテン
「西川先輩のも聞いていいですか?」


にっしーにも聞かないと気まずいと思ったのか、もともとにっしーのこともいいなと思っていたのか分からないけれど。

とにかくさほちゃんは、スマホ片手に、にっしーにもふわっと笑いかけた。


「おっ、まじで?
俺にも聞いてくれるの?」


......。断るのもおかしいんだろうけど、なんでそんなデレデレしてるの?


なんか......なんか......イライラする。

おまけで聞かれただけだというのに、すっかり顔をゆるめているにっしーにイライラがつのっていく。


超絶美人で年下マネのさほちゃんに番号聞かれたらデレデレしたくなるのも分かるけど.......。

たしかにさほちゃんは可愛いよ?可愛いけどさ......。


「あ、番号交換ですか?
俺も先輩の聞いといていいですか?」


モヤモヤしていると、小野くんにっしーに続いて校舎から帰ってきたミッチー。

西川先輩にはこの前聞いたのでと、自然な流れで小野くんと番号交換している。


「宮崎先輩もいいですか?」

「え......う、うん。もちろん」


にっしー同様おまけで聞かれただけ。

それなのに、たくましい素敵な筋肉をもつミッチーの番号をゲットできてにやいてしまう私は、完全ににっしーのこと言えない。



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