ふりむいてよキャプテン
「そうだった、今日だったね。
急ごっか」


さほちゃんと約束していたことを思い出し、お先に失礼しますと挨拶をして、私たちは一緒に部室を出た。





それから、二人で自転車で向かった先は、学校から一番近い手芸店。


「先輩どうしますー?
学年別で布買えますか?それとも一緒のにします?」

「うーん......、みんな一緒にしよっか」


私たちが買いにきたものは、大会のお守りを作るための布。去年は一人だったから背番号もらった人にしか作れなかったけど、今年は二人いるし全員分のを作るつもり。


一週間前というギリギリになってしまったけど、昨日ようやく千羽鶴が終わって、やっと今日買いにこれたんだ。


二人でお店にある布をそれぞれ見比べる。
ハート柄、星柄......、シンプルに無地なんてのもいいかも。

去年はイチゴ柄の布で作って失敗したんだよね。


......これ、いいかも......。


色々見ているなかで、パッと目をひいたものがひとつ。


「先輩もこれいいと思いました?
さほもです」


その布を手にとると、さほちゃんもそれを指差す。
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