ふりむいてよキャプテン
誰一人歌えない状況に先生が怒るのも仕方ないとしても、テストか.....。


明日のことを考え憂鬱になりながらも、ドリンクサーバーを洗って部室に戻ってくると、見慣れない光景をみかける。

部室の外で、新聞紙をしき、いつき先輩たち三年生が、バリカンで坊主にしあっていった。


「マネージャーも坊主にする?」


椅子に座り、少し伸びた毛をどんどん刈られていくいつき先輩を見ていると、いつき先輩はいつものように目尻を下げて微笑む。


「い、いえ!私は遠慮しときます。
あ、後で触らせてもらってもいいですか?」

「いいよ。坊主にしたての頭って、触り心地いいよね」


しゃべっている間にも、次々と坊主になっていく三年生。

そういえば、二年生もすでに何人かが坊主にしてきている。

大会近いからね......。
みんな気合い入ってるなぁ。


「先輩先輩!今日行くんですよね?
早くしないと、お店しまっちゃいますよ?」


いつき先輩と話していると、部室から走ってきたさほちゃんにそっと耳打ちされる。
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