ふりむいてよキャプテン
「さっきの、本当に?
三浦を家に泊めたの?」


部活が始まる前に着替えようとジャージを持って、部室を出ると、あせったようににっしーが追いかけてきた。


「泊めたっていうか......、私が泊めたわけじゃないよ。
弟が泊めたの」


そんなにっしーの方を見ないようにしていても、まだにっしーは食い下がってくる。だからって、何で一緒にくるんだよ、と。


「気をつけた方がいいと思うよ。
あいつは絶対に手が早い」

「......いいんじゃない?
手が早くても」


冷たい視線をにっしーに投げかけると、やっぱりにっしーはまた目を丸くして。


「いやいや、良くないよ。
マサが好きなんじゃないの?
じゃあなに、三浦から付き合おうって言われたら付き合うってこと?」


本当に、いつまでそんなことを言ってるのか。
なんだかそんなにっしーにイライラして、どうしようもないくらいムシャクシャする。


「うん、付き合うかもね」


私とミッチーが付き合うことなんて、絶対ないだろうけど......だけど、なぜかそう言いたくなった。

自分でもわからないくらい、イライラして。
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