ふりむいてよキャプテン
「はあ?なんだそれ。
じゃあ俺はあのときなんのために......」


ひいたのか、って?
私はひいてほしいなんて思ってない。

勝手にひいたのは、そっちでしょ?


イラついたように私を見るにっしーを、私も負けずににらみ返す。


「私が誰と付き合おうと、家に泊めようと、にっしーには関係ないよ。彼氏でもないんだから。
にっしーも別れた女のこといつまでも気にしてないで、他見なよ。さほちゃんでもいいし、他の子でもいいし。

にっしーはさほちゃん、私はミッチー。
それでいいんじゃない?
みんな幸せ、みんなハッピー」


そこまで一気にまくし立てると、女子更衣室にかけ込んだ。


今さらだ......、今さら気にしたって、あのとき引かなければ良かったって後悔したって、もう手遅れだよにっしー。


小野くんにフラれたのが8月、にっしーに見切りをつけたのが10月。

そして今は12月の後半で、そろそろ新しい恋だってしてもいい頃だし、今の私は完全フリー。

新しい彼氏だって作っていいはず。にっしー以外の。


私の気持ちは、もうにっしーにないよ。
もう、あのときにっしーが引いた時点で、私たち終わったんだよ......。


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