【完】幸せをくれたあなたに。
──ピンポンパンポン
≪みなさん、おはようございます。いよいよ文化祭が……≫
放送が流れ出して、文化祭の始まりの合図がなった。
その瞬間、ガラッと開いた教室のドアから担任が入ってきた。
「おーい。みんな準備できたかー? そろそろ客来んぞ! 客が!!」
「はっはっはっ!」と笑って調子の良い先生はそれを言い残して出て行った。
シーン……となる教室。
「なにアイツ……キッモ」
女子の1人が、苦笑しながらそう言った。
みんなもつられて、苦笑しながら位置についた。
少しして、廊下や1階が騒がしくなった。
ふと、廊下の窓で下を覗いてみると、ズラリと人が門から入ってくるのが見えた。
親が来てる人もいれば、友達らしき、他校の生徒もいる。
人が多いな……。