【完】幸せをくれたあなたに。




──ジリリリリ


「ん……う?」


──ジリリリリ


「う……るさいなあ……」


──カチっ


大きな音を立て、まるで「早く起きろ」と言わんばかりに鳴るアラーム。


何度も鳴るアラームを止め、学校へ行く準備をする。


今日は文化祭当日。


「いってきます……」


最近、仕事で疲れて眠っているお母さんに小さく呟いた。


学校の近くまで来ると、遠目からでもわかる、みんなが作り上げた楽しそうな文化祭。


門を通りすぎ、教室に向かうと


衣装を着たり、髪をし合ったり、化粧をしたり……。


女子は大忙しで、男子はいつもより、髪をキメて、友だちやらと話していた。


みんな文化祭くらい、こうやっていつもと違うことするんだなあ……



それに比べ、私はいつもと変わらない地味な姿。



< 110 / 204 >

この作品をシェア

pagetop