【完】幸せをくれたあなたに。
──ジリリリリ
「ん……う?」
──ジリリリリ
「う……るさいなあ……」
──カチっ
大きな音を立て、まるで「早く起きろ」と言わんばかりに鳴るアラーム。
何度も鳴るアラームを止め、学校へ行く準備をする。
今日は文化祭当日。
「いってきます……」
最近、仕事で疲れて眠っているお母さんに小さく呟いた。
学校の近くまで来ると、遠目からでもわかる、みんなが作り上げた楽しそうな文化祭。
門を通りすぎ、教室に向かうと
衣装を着たり、髪をし合ったり、化粧をしたり……。
女子は大忙しで、男子はいつもより、髪をキメて、友だちやらと話していた。
みんな文化祭くらい、こうやっていつもと違うことするんだなあ……
それに比べ、私はいつもと変わらない地味な姿。