【完】幸せをくれたあなたに。



ぶつかった衝撃で、思わず手を放してしまい、教科書がバラバラに散らばった。


「ご、ごめんなさい!!」

相手は、声からして女の子だった。

慌てた様子で、私の教科書を拾った。


私にとっては、それが衝撃的だった。


だって、みんな私のことを悪く言う人ばかりで、まさか教科書を拾ってくれる人なんているんだなあ、と思った。


私も一緒に教科書を拾った。


「ありがとう」

お礼を言い、立ち上がろうとした時


「あの……っ!!」

少し高めの声を大きく出した女の子。


私は、突然女の子に呼び止められた。




< 44 / 204 >

この作品をシェア

pagetop