この恋、きみ色に染めたなら
『……は?』
『は……?』
凪の呆れ顔の“は?”に私もつられて“は?”と聞き返してしまった。
『振られて、代わりになる?
ちょっと待ってよ親友、よく意味が分からないんだけど…。
えっと……しかもケーキ?』
『あ、あのね……先輩の好きな人も“紗季”って言うの。
感じは違えど同じ名前でしょ、だから先輩が私をモデルとして選んだのはその幼馴染さんと過ごした時間をもう一度過ごしたくて』
『紗季の代わりに紗希をモデルにしたっていうの?』
『まぁ……簡単に言うと、そういうことかな…』
『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!』
凪はそんな声を出しながら髪の毛を掻きむしってる。
『紗希、あんた、そんなんでいいの!?
てか、そんなんで平気なわけ!!?』
『てか、普通に利用されてるだけじゃん!
あんたの存在も、あんたの想いも……そんなんで本当にいいわけ、紗希!?』
やまない凪からの問いかけに私はどれから返していけばいいか分からずな状態に陥る。
『あんた、そんなレベルの女じゃないよ!?
誰かに想われて…そういう恋が出来る子よ?
なのに、なんでそんな最低な男の傍に…てか、代わりになるとか発言してんの!!?』