Black Angel―愛されし現姫―
「従順でない者は嫌いよ。私に従わない者は要らない」
「っどうしてそんなことが言えるの!?みんなを返してよ…っ」
「”返して?”―――馬鹿ね。望んだのは私じゃなく、棗達よ」
ね?と隣の可愛らしい少年に声をかけ、少女は目を細めた。
「いい加減、身の程をわきまえたらどう?」
それほそれは天使のような微笑みで、
少女は残酷に言い放つ。
「私と貴方では格が違うの。…お分かり?」
「……っく、ひぅ…っう、…っ」
泣き出した少女を嘲笑う。
あぁ、なんて愉快なんだろう、と。
泣き虫な女は嫌い。
だけど、強気な女が涙を流す瞬間を見るのは大好き。