晴天のへきれき?
復讐の食事会?
*****




金曜日。

やっぱり訂正しよう。チーフは絶対に可愛くない。

朝、皆に割り振りした書類を眺め溜め息をつく。

「ちょっと! なんで私に英訳清書を回すのよ」

ザ・お局様高木さんの文句に、咳込みながら顔を上げた。

「高木さんと私しか、英訳できる面子がいないから」

「だからって…」

私は自分用に振り分けた書類を掲げる。

「こっちの方が? こっちの方がいいですか?」

なんだか難解な、専門的英文をちらっと見てお局様は引き下がった。


あんの能面チーフめ。

なんて書類を回してくる。

全然、可愛くない!


「なんか文法おかしいな」

変だと思った箇所にカーソル合わせて削除。

「先輩って……」

なんだ、木村。

「文句は凄いのに……。変な所で律義ですよね」

「だって、文章が変だったら気持ち悪いでしょ」

「そうですけど…」

「お~。朝倉ぁ。生きてたか~?」

暢気な高瀬に顔を上げる。

それから、手を出す。

「なんだよ、その手は」

「あんたが妙なテンションで近づいて来たら、必ず書類でしょうが」

「さすが小局。俺のことわかってるな!」

「解りたくもないわ」

「清書&10部コピー&綴じ込みよろしく」

「相変わらず、汚い字」
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