蜘蛛の巣にかかった蝶のようで


「いいの!失恋した後に1人でいるのは辛いでしょう?」

またニッコリ微笑んだ。

「でも…。」

「いいから!さぁ、どこ行く?遊園地?水族館?」

「え?!そういうとこ?!」

「楽しければ嫌なことも忘れるよ?」

楽しいけど…だけど…それは全部幸也と行ったところ…。
今、楽しい思い出を思い出すのも辛くなってる。

「…水谷?」

「……。」

「…もしかして、思い出の場所だった?」

「…うん。」

泣くのを必死にこらえた。

「…そっか。」

と、言うと同時に築山君は私の手を握った。

「え?!」

「走るぞ!」

「どこに?!」

「いいから!」

私はパニック状態。
築山君の言われるままに手をひかれ
河原を走った。
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