蜘蛛の巣にかかった蝶のようで
「…え?」
「ここなら思い出なんて一切ないだろ?」
そりゃそうだけど…。
今さっき仲良くなったかならないかの男の子の家にあがるのは…。
「さ、あがって?」
「いや、でも…」
「いいから!親は朝早くに仕事行って誰もいないから!それに今更行くところないでしょ?」
まぁ、確かにそうだけど…。
どぎまぎしていると、また強引に手をひかれ、部屋に案内された。
「適当に座って?今飲み物とってくる。」
「あ、ありがとう…。」
「あ、あと!俺のそこにあるクローゼットから部屋着出して着て!制服じゃくつろげないでしょ?」
「えぇ?!いいよ!大丈夫!」
「いいから!今日は思いっきりくつろいでよ!」
じゃ!とだけ言い残して築山君は下に降りていった。