蜘蛛の巣にかかった蝶のようで
「……!!」
声が出せない。
「やぁ、水谷。」
「……つ……つき……や……ま……くん……。」
驚いた。
「どう?怖かった?辛かった?何も心配しないで僕がいるよ。」
また見透かすように君悪く笑った。
「や……え……。な……んで……。」
「なんでって、なんでだと思う?」
「ゆ……ゆき……やぁ……。」
その時だった。また強い力です腕を掴まれる。すると低い低い声が耳元で響いた。
「そいつの名前を呼ぶな。痛い目にあいたくないなら……ね。」
ククっと気味の悪い笑い声。