蜘蛛の巣にかかった蝶のようで


「俺がなんでメアド教えたくなかったか……。」

「……あのメールが……。」

「そう、せいかーい!」

築山君はジリジリ近寄ってくる。

「あの画像……作るの苦労したんだよ?」

「……っ!」

あの画像の犯人が目の前にいる。

「今日の泣き顔可愛かったなぁ〜。」

怖い。怖い。声が出せない。

「白いTシャツ…ピンクの下着透けてたよ?まぁ計算通り……だけど。ショートパンツも似合ってた。サイズぴったりだったでしょ?あれおニューだよ?俺は今1人暮らし。しかも姉なんていない。」

誰か……助けを……あ、お母さんに!

「そうはさせません。」

「!!ちょ、返して!!」

すごい力。ケータイを取られた。

「だーいじょうぶ、本当に何もしないから。」

ククっと笑う。

「ねぇ、水谷……。俺を見てよ……。」

切ない声だった。

私はその声に吸い込まれそうで……。
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