蜘蛛の巣にかかった蝶のようで
「お母さん、幸也と話ししてくるね。」
「あら、そうなの?気をつけて行ってらっしゃい。」
お母さんは嬉しそうな顔をした。
「いってきます!」
ヒールの低いパンプスをひっかけて、いつもの道を歩いた。
幸也に会えるってだけで足取りが軽くなる。……まぁ、話した結果どうなるかは分からないけど。
少し早足で歩いていて……
あと少しというところで……
見慣れた人影。
河原に着く前の垣根の所に
築山君がうつむいて立っていた。
築山君は私の方をゆっくり見る。
あの悲しそうな顔をしている。
「……水谷……。」
吸い込まれそうな強くも光は弱い瞳。
「つ…築山…君…なんで……ここ……。」
震え始める私の足。
「……幸也が……話してくるってメールしてきた。」
ジリジリと近寄る長い脚。
「……っ。」
声が出ない。
「水谷…………。」
いや……こないで……。