忍び寄るモノ
手がかりを求めて

奈々ちゃんを説得して四時間目までの授業をなんとか頑張った私。

お昼ご飯を急いで食べて奈々ちゃんと一度バイバイして。

「折笠さん……!?」

「早く行こう!」

先にドアの近くにいた岡本君の手を引っ張って急いで教室を飛び出していく。

廊下を急ぎ足で通って階段を一段とばししそうな勢いで駆け下りて生徒玄関近くにある職員室へ向かう。

ドアの前で繋いだ手を話すと岡本君は軽く息を切らしながら眉を寄せて怒ったように私を見てくる。

「走るならそう言ってほしかったんだけど……」

「ごめんね? ──失礼しますっ」

私は岡本君に謝ってすぐにドアをノック。

ガラガラと音をたてて職員室のドアを開けた。

昼休みの職員室には先生がたくさんいたけれど高橋先生が立ち上がってくれたからすぐに分かる。

「失礼します」と後ろから聞こえる岡本君の声を耳にしながら私は高橋先生のところまで歩いていく。

「これが資料室の鍵です。予鈴がなったらすぐに鍵を返しにきてくださいね」

「はい。ありがとうございます」

鍵を受けとると高橋先生は私の横に視線を向けて岡本君の名前を呼ぶ。

「岡本君がいるなら大丈夫だとは思いますが、折笠さんは調べ物などに集中すると限度を忘れてしまうようですので見てあげてくださいね」

「はい──ぷっ」

「あっ、笑った! 高橋先生もそういうこと言わないでください」

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