懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
俺たちは茫然としてその光景を見つめていた。


「開けよ、くそ!!!!」


嵐が怒鳴り声を上げ再びドアにぶち当たった。


その時、嵐がドアの前で動きを止めた。


ついに諦めたのかと思った。


しかし、嵐はドアの前から一歩も動かない。


「嵐……? どうかしたか?」


俺は不振に思い嵐に声をかける。


しかし嵐は返事をしない。


「なぁ、おい?」


嵐の肩に手を伸ばし、こちらへ振り向かせた。


その瞬間。


嵐の額から一筋の血が流れた。


それは鼻を伝い、顎を伝い、そして嵐のお気に入りの服にしみこんでいく。


「え……?」


咄嗟の事で誰もが理解できていなかった。


嵐自身でさえ、自分の額から血が流れていることには気が付いていないようだ。
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