懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
彗は何も言わず自分の目玉を手に取ると、それを持ってコンロへと向かった。


先ほどと同じようにフライパンを火にかけ、油を引く。


俺は自分のTシャツを破り、彗に近づいた。


「彗……せめて、止血しよう」


「……ありがとう」


彗は作業の手をとめず、答える。


俺は彗の右目に布を押し当て、包帯のように巻いて固定した。


これで出血が止まるかどうか怪しいところだけれど、何もしないよりはマシだろう。


一刻も早くここから出なければ、彗の命も危ない。


彗がフライパンの上に目玉を乗せた瞬間、ジュッと音がして、鉄の匂いが充満した。


「うっ……げぇ!」


良が隣のシンクに吐く。


他の面々も気分が悪そうに青い顔をし、手で鼻をおおっている。
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