懺悔部屋~脱出法は仲間を傷つけ食べること~
当然か。


目の前には友人の目玉があり、それを自分が食べなければいけないのだから。


「自分が目玉焼きは人間の目玉の事だって、推理したんだろうが」


嵐が言い、良はうつむく。


確かにそうだった。


良の考えが正しいと思い、彗は自分の目玉をスプーンでえぐったんだ。


良はゴクリと唾を飲み込み、椅子に座った。


そしてジッと彗の目玉焼きを見つめる。


これを食べなければ、彗が自分の目玉をえぐり出した意味も無くなってしまう。


良はゆっくりと目玉に手を伸ばした。


親指と人差し指でそれをつまみ上げ、口を開ける。


良の目には涙が浮かび、誰もがそれを見守っていた。


良がギュッと目を閉じた時、一筋の涙が頬を流れた。


そして次の瞬間……。


良は口の中に彗の目玉を押し込め、そしてそれを噛みしめた。
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