異常って言われても構わない。
「…はっ…し…ぐれっ…!」


息ができなくて苦しくて時雨の肩を叩く。

俺の酸欠に気付いて
やっと時雨が唇を離した。


「はっ、くるしっ…。」


俺は久し振りに
思い切り酸素を吸い込んだ。


「ごめん、明希!
 キスに夢中で
 息させてあげんの忘れてた。」

「夢中とか言うな!///」


ああ、きっと俺また顔赤い。

さっきから心臓がうるさい。

だって…
時雨ってこんな男らしかったっけ?

軽く混乱状態。


「明希?」

「なんか、意外。
 俺さ…絶対付き合うなら逆の立場になる
 と思ってたから。
 お前がこんな…」

「襲ってくるなんて?」

「おそ…っ?!///
 まあ…うん。
 今まで時雨のこんな男みたいな所
 見たことなかったし。」


ぷっ、と笑って時雨は俺の上からどき
倒されていた俺を起こした。


「俺ずっと女だと思われてたの?」

「女っていうか…
 ほら、時雨って綺麗だし。」


前にも言ったけど時雨は綺麗だ。

明るい茶髪が白い肌によく似合ってる。


「綺麗なのは明希じゃん?」


笑っていた時雨がまた急に真顔になる。

俺の頬に手を沿わせる。

その感触と視線にゾクッとした。


「お…俺が綺麗なわけない。」


思わずどもってしまった。
かっこわるすぎる(泣)


「自覚無し?
 まあそこがまた明希らしいけど。」


ニコッと笑って頭をガシガシ撫でる時雨。

ああ、この表情が好きだ。

子どもみたいに歯を出して笑う時雨は
見てると凄く癒される。

真顔の時雨は見慣れてないから
少し緊張してしまう。
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