あふれる、想い

―ren―

授業中もずっと俯いたまま
涙を堪える愛結花を見て後悔した


行かない…そう決めて
心にしまっておけば良かった


いつかは留学したい

そう思ってた


だけど…愛結花を置いて行けない


俺が大人なら

「ついて来い」

そう言えるのに…

俺は何の力ももたないガキだ


待っててくれとも
行かないとも言えれない


理由つけてるだけで愛結花と離れたくない

離れれないだけなんだ


俺は授業をサボって岳志を屋上に呼び出した


岳志は俺の話を黙って聞いてくれた


「行くのか?」


「正直迷ってる」


「でも…行けば…」


「夢が叶いやすくなる」


「…待っててくれじゃダメなのか?」


「無理だ…
愛結花は待っててくれると思う
だけど…いつ帰国できるかわかんねー
あいつは本当は脆い
きっと苦しめる」


きっと愛結花は離れている間
1人で泣き続けるだろう


行かない方が良いのか?

でも、親父の会社は海外留学経験者は
採用される確立が相当高い

海外との取引も多いし…


けど…留学にこだわる必要があるのか?


大事な女を泣かせてまで
行かなきゃいけないものなのか?


俺…間違ってる??


「男なら…行きたくなるわな」

岳志は空を見上げて呟いた


「岳志なら…どうする?」


「俺なら…」


岳志は考えた後、口を開いた


「答えはやっぱ出ないだろうな…」


そうだよな…

だっていつ帰れるかわかんないんだ

待っててくれ…軽はずみな事言えねーだろ


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