あふれる、想い

涙が溢れそうだけど…泣いちゃ駄目


ここで泣けば

蓮はまた無理しちゃう




「蓮…アメリカに行って?」


行かないで


「はっ?
俺だって悩んで…行くのやめたんだよ」


傍にいて


「それは誰の為に?」


お願い


「…っ・・・」

でも

「行って夢叶えてよ」


苦しまないで


「愛結花は良いのか!?
いつ帰って来れるかわかんないんだぞ?」


「でも…いつかは帰ってくるんだよね?」


「何年になるかわからない
1年かもしれない…5年かもしれない
もっと先かもしれない」


……わかってるよ


「ずっと蓮の傍にいたいよ
でも…私が重荷になるのは嫌なの
夢を叶えて欲しい」


目の前が真っ暗になって

蓮に抱きしめられた



「愛結花と離れたくねーよ
好きで好きで堪んないんだ」


「私も蓮が好きだよ
だからこそ…行って?」



泣き叫んで行かないで

そう言いたいよ


でも…そんなの駄目だよね?


きっとお互いが自分を攻め続けちゃう


「…ごめんな…
辛い事…言いにくい事言わせて・・・」


もう我慢の限界だよ


「…っ…ふっ…うっ…うぅ」


「…泣くの我慢するな」


許しちゃ駄目だよ

抱きしめられたまま子供のように泣き続けた

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