あふれる、想い

決意

―ren―


いくら考えても答えは出なかった


でも…


女の為に夢を捨てたとか

遠回りしてるとか

馬鹿にされるかもしれない


けど、それでも愛結花といたいんだ


情けなくてもいい


高校生のガキの俺が出来る事なんて
たかが知れてる


でも・・・傍でいたいんだ



なのに…


愛結花は俺にアメリカに行けって…



どんな気持ちで言ってるんだろう


言いにくいはずだ


なのに…俺が言わせた


俺の腕の中で声を押し殺して
泣くのを我慢している愛結花を見てると
切なくなった


「…泣くの我慢するな」


俺は抱きしめた腕の力を強めた


途端に愛結花は小さな子供のように泣き出した


泣き虫な愛結花


でも、俺を後押ししてくれる


…決められない

優柔不断な俺


けど…行くしかねーよな


「俺…アメリカに行く」


「…うん」


愛結花の肩が震えてる



苦しくて切なくて…

どうしようもないこの感情


胸が…心が張り裂けそうだ

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