あふれる、想い
―syou―
愛結花が俺の元に戻ってきてくれるか
ある意味、賭けだった
もう無理だと思った
だけど…愛結花は俺の手を取ってくれた
俺は…もう二度と愛結花を悲しませない
この手を離さない
離す事を考えるもんか
俺の手を取ったって事は
俺だけを見つめる事を覚悟してくれた
そう取っていいんだよな?
俺…期待しちまう
でも…期待した後
それが返ってくるとは限らない
それを知ってるから…
俺は愛結花を家に送りながら考えた
岡野が愛結花に別れ話をしていれば
俺達は…こんなに苦しまなかったんじゃないか
あいつはいなくなった後
こうなる事を予想して
こんな策略を張り巡らしたんじゃないか
あいつはきっと遠く離れても
愛結花を想い続けてるに違いない
だからこそ…すんなり
愛結花が離れないようにしたんだ
姿が見えなくても…いつまでも恋敵か
姿が見えるのと見えないのと
どっちが楽なんだろうな
姿が見えてれば、愛結花が俺に来る事はなかった
だけど…見えない分
もどかしい
言いたい事は沢山あるのに
言える術がない
愛結花と別れろ…そう言いたい
だけど…言えないんだもんな
それを愛結花に言えばまた自分を責める
また愛結花を苦しめてしまう
それだけはわかるんだ
だから…絶対言っちゃいけねーよな
俺はやり場のない気持ちを
頭をグシャグシャに掻いて誤魔化した
いつまでも不安はなくならない
そんな不安を…誤魔化した