あふれる、想い

愛おしい


―ren―

夜は近くの歩いて行けるレストランで食事をした

戻ってきてウッドデッキで
また酒を飲み始めた岳志と原田

懲りない2人だよ


俺は愛結花を誘って散歩する事にした

また飲んだりしたら…


「蛍いるかなぁ?」

俺の気持ちも知らず
嬉しそうに笑ってる愛結花


「さぁ?いるんじゃね?」

素っ気無い返事しか返せれね~


なのに、愛結花は嬉しそうに
俺に笑顔を向けてる


月明かりに照らされた愛結花

色白い肌が透き通って
ブラウンの髪が揺れてる

…すごく綺麗だ

俺の心臓はドキドキしっぱなしなんだ


落ち着け…

俺は自分自身に語りかけた



「あっ…あぁ」


愛結花が急に大きい声を出した


びっくりして愛結花が指す方向を見た


2匹の蛍が仲良くくっ付いて飛んでる


「綺麗~」


「俺と愛結花みたいだな」

本当にそう思ったんだ


「本当だね」

無邪気に笑う愛結花を後ろから抱きしめた

小さな肩

俺の胸にすっぽり埋まる身長

数匹の蛍が増え
俺達のすぐ近くの小川を飛んでる


「星も綺麗だね~」

空気が澄んでるからか星もよく見える


幻想的な世界に愛結花はすっかり酔いしれてた


俺が回した手を両手で掴んでくる

小さいけど温かい手


「また蓮とこの景色を見たいな」


「おぅ、この先もずっとな」


俺は愛結花の願いを叶えてやりたいと思った

この先もずっと…愛結花の隣でいたい


< 91 / 290 >

この作品をシェア

pagetop