チャラい×真面目=事件!?
「ただ、出血と内臓の損傷がかなり酷かったらしく……………覚悟は、しといた方がいいそうだ。」



「え?ち、ちょっと!上郡!!?」



午戸兎の言葉を聞き、上郡は駆け出した。



「さみちゃん、行かせてあげて。」



追い掛けようとする蠍髪を、戌籏は諭す様に止める。







病院に駆け込んだ上郡が案内されたのは、ICU。


所謂、集中治療室。



透明な窓越しに上郡が見たのは、様々な医療機器に繋がれた色平。



目は固く閉じられ、口には酸素マスク。

頭には包帯が巻かれ、一命をとりとめたのが奇跡というのがよく分かる。



「(色平………………)」



上郡は自分を責めた。



色平が差し入れを持ってきてくれていた時、起きていれば。


言われたことだけやればいいと思って、手を抜かなければ。



堅苦しいのは嫌いで、ふざけて適当に。

彼女を作ったって浮気がバレて即サヨナラ。


警察官になったのも、モテそうだったから。


それでいいと思っていた。


今が楽しければ。

人生一度きりなのだからと。
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