恋は偶然と必然の名のもとに
 何十年かのローンで購入したらしいこのマンションなんだけど、4人で住むためのこのマンションに1人だけで住むには広すぎて、寂しさというか虚しさのようなものがあった。

 お化けとか幽霊なんて全く信じてないし、そういう怖さとか寂しさではなくて、心に”隙間”ができたような、そんな感覚。

 寂しさにも似てるけど、それともまたちょっと違う感じの…、孤立感というか…。

 でもそれって、家族と離れて暮らしているからという理由ではなくて、一緒に暮らしていた頃からあった。

 この感覚をどう理解すればいいのか、どう表現したらいいのか分からなかったけど、ただ、ラクガキを描いている時だけはそれを忘れることができた。


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