嘘つき少女は君を愛せなかった
「やばい、メッチャはずかった!!

というか、ルイが行けばっつったのに笑いすぎぃ!?」

「岡山、うるさいぞ。あと前向け。」

「う・・・。はい」

担任の中年おじさんこと、

中野 年昭(なかの としあき)先生の名簿チョップを

くらい、若干こっちを睨みながら

前を向いた辰巳にまた笑いがこみ上げてくる。

ああ、今日はなんていい日だろう。

*****

「るぅい!!今日は弁当一緒に食べないもんね!」

じゃあなぜ声をかける。

「ぎゃあぎゃあうるさい。屋上行くよ。」

「だから一緒に食べないって・・・!」

なかなか素直にならない(私じゃないよ★)

辰巳に「謝んないよ?」と言い、べっと舌を見せた。

「彼氏できたんでしょ!?

僕とじゃなくてもいいよね!?それとも・・・」

そう言って、少し間を開ける辰巳。

「彼氏っていうのは見栄だけの嘘なの!?」

「・・・は?んなわけ・・・」

__その時だった。

「るーい♪可愛い従兄妹くんと食べないなら俺と食お?」

「「夏目!?」」

私たちのクラス、

1-1の前の廊下にいたのはまさかの夏目だった。

うざい女子の「きゃあ♪」という声が耳を通り抜ける。

横からすごい威圧感を感じて慌てて横を見ると、

そこには夏目をものすごい形相で睨む辰巳の姿があった。

怖っ・・・!

「ルイはお前みたいな最低と軽々しく食事するような中身のない人間じゃないんだ!!あっち行けよ!」

「えー、それひどくない?仲良くしようよ?」

「ルイを傷つけそうなやつに、

ルイを預けれるかよ!?」

辰巳・・・

どうしてそこまで、私を庇うんだろう。

そして・・・

どうして、夏目をそこまで嫌うの?

胸がチクリと痛む。

これが俗に言う罪悪感というものなのだろうか。

初めて感じるものだった。
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